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 元ベトナム商工会議所副会長「経済発展に必要なもの」

 元ベトナム商工会議所副会長で、現在首相直属機関のアドバイザーを勤めるPham Chi Lanさんは経験豊富で知性に溢れた女性で、ベトナムの企業に多大な影響力を持っている。Lanさんに今後のベトナム経済の課題について話を聞いた。 
「今後、ベトナム人に必要なのは、自己分析を行うことです。ベトナム人は主観的に評価を下しがちです。例えば、ベトナムの経済成長率は現在、世界第2位ですが金額自体は小さく、諸外国との差は依然として大きいことを理解しなければなりません。出発点の数字が低かったため、このような高い成長率を記録していますが、その数字を長く維持できるわけではありません。この数年間、工業部門の成長率は平均13%と高い伸びを記録していますが、これは長年にわたる政府の手厚い保護政策によるものです。しかし、工業部門の各企業はこの高い数字だけに注目し、順調に成長を続けていると自信を持つようになりました。しかし、ベトナムの主力輸出品は付加価値の低い原料や未加工品ですから、今後政府の保護政策が打ち切りとなれば成長率10%の維持は難しくなることが予想されます。これはまさに周りを見ずに自己を過大評価しているという分かりやすい例で、私が懸念するところです。
さらに、私たちは外国のこともまだ十分に理解しているとは言えません。例えば外国企業と取引する際、その企業の得意分野やウィークポイント、ベトナム側に求めていることは何かなど理解することが必要です。さらにライバルが誰であるか、ライバルが自分たちより優れている面は何か、そこから何を学ぶべきかを理解し実行することで初めて真の競争力を持つことができるのです。さらに、これは各部門、地域に共通していることですが、自らの改革や功績を延々と語る割には、不十分な点を指摘された時、それに対する説明や対策はおろそかになりがちです。投資促進がその一例です。現在、手続きの簡素化をうたい文句に投資誘致を行っていますが、投資家にとっては依然として複雑な手続きや障害が立ちはだかり、魅力的な投資市場とは言えないのが実情です。もっと相手の立場に立って考えなければなりません。
投資を誘致するまでは積極的に働きかけますが、投資の合意を取りつけた後は手のひらを返したように無関心で、投資家に対するケアもないことさえあり、結局、投資家を煩わせるというケースが多発しています。そのようなやり方を続けていては、現在ベトナムで活動している投資家が、別の投資家にベトナムを薦めることはなくなり、ベトナムはグローバル化する国際経済の中で生き残っていけません。諸外国では自国の評価を正しく行い、自国の強みを宣伝し、投資家が必要としている情報を提供しています。タイではこれらのことが実行され、その結果、現在は魅力的な投資先だと国際的評価を受けています。諸外国からは、ベトナム人は積極的でおおらかな国民性だという好ましい評価を受けていますが、各部門に共通して専門性に欠けるのが難点です。多くの企業が可能性を広げようと様々なことを試みるのものの、深く追求する企業はごくわずかです。
さらに外国語の問題もあります。若い企業経営者が多いにも関わらず、外国語能力を高めようと自己投資する人が少ないのは残念なことです。これには、農村や地方都市では英語教育がまだ普及していないことなど、教育システムの問題も関係しています。マレーシアでは数年前から中学英語教育を全国で導入し、これまで以上に積極的に取り組んでいます。このことがグローバル化する国際経済への参入に大きな役割を果たしました。ベトナムにもこのような教育改革が必要です。
さらに問題なのは、外国人を招待しての会議やセミナーが開催された時に、幹部クラスを含む出席者や新聞記者が途中退席するなど、緊張感に欠ける態度です。このような会議は、客観的な視点からベトナムがどう見られているのかを知る絶好のチャンスであるはずなのですが、自らその機会を無駄にしているのです。情報や学習の機会が少ないなどと不満をもらすのではなく、まず自らの行動を省みることが必要だと思います」 

(Sai Gon Tiep Thi Xuan)

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