ベトナム裾野産業の発展に向けて

 越日共同構想の一環として、ベトナムの工業および裾野産業の発展の推進を目的として日本貿易振興会(JETRO)の視察団が企業視察を行った。視察は33日間に渡り、全国の54企業を訪問した。視察団長を務めたJETROのIchikawa Kyoshiro海外投資アドバイザーに話を聞いた。
Q: 今回の視察で、ベトナムの裾野産業の現状についてどのようにお考えになりましたか?
A: ベトナムの裾野産業は始まったばかりです。国営企業は一括生産を行っているため、業績、競争力ともに低いのが実情です。裾野産業が発展すれば、それぞれの分野でさらなる発展を遂げることが可能です。民間企業に関しては、アルミ製品を生産するKim Hang社のような大規模な企業もあります。これらの企業は綿密な事業計画を立案しており、事業拡大をするのに十分な潜在力を秘めています。
 私が最も心配しているのが、ベトナムの多くの企業が品質管理への認識が低いことです。品質や消費者の嗜好にはあまり関心を持たず、価格に関心を持つばかりです。また、現在民間企業には優良企業が多いにも関わらず、優遇融資を受けることは難しい状況にあります。また、人材採用は外資企業を含めたすべての企業にとっても重要な問題です。特に、北部では大学を卒業しても、企業の即戦力となる人材は少ないのが現状です。さらに企業にとって、情報が十分に得られないことも問題となっています。ベトナムは市場経済に参入して間もないことから、顧客が来るのを待つという習慣が残っており、自ら積極的に営業活動を行うというやり方はまだ普及していません。
Q: 裾野産業の発展を促進させる政策についてはどのようにお考えですか?
A: 2つの方法が考えられています。まず、すでに競争力を持つ企業を選び、さらなる発展を促すために支援を行うこと、もうひとつは、経営努力が見られる企業すべてに対し支援が可能となるような環境を作り出すことです。もし、企業を限定して支援する場合は範囲が狭くなります。そのため私たちは業界全体の発展を促進することができるような政策を望んでいます。裾野産業発展のために、ベトナムは各分野別に詳細な計画を立てる必要があります。自動車・バイク製造業界を始め、多くの業界で今後の発展のために裾野産業が必要とされています。裾野産業が発展すれば、ベトナム製品は、タイやマレーシアなど、他の東南アジア諸国と充分競争することが可能となります。
Q: ベトナムのWTO加盟が実現するまでに、裾野産業が競争力を持つことは可能ですか?
A: 政策などの問題がありますので、WTO加盟に間に合わせるためには、時間が足りないと思われます。例えば、今後、ベトナムが裾野産業の発展を外国資本の導入により発展させる場合、外資を誘致するための新政策が必要となります。また、国内企業が主体となり計画を推し進める場合、国営企業に対し、投資誘致のための政策が必要となります。ベトナム政府が一刻も早くこの問題に積極的に取り組むことが望まれます。

(Tuoi Tre)

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