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優秀な人材、国営企業から外資企業へ転職

 国営企業では、手塩にかけて育てた人材の多くが他企業に流出している。
 Longさんは1994年、ホーチミン市経済大学を卒業し、縁故採用で工業省直轄のある総公社に就職した。聡明なうえ英語も得意だった彼はすぐに上司の信頼を得て、取引先のヨーロッパ系企業担当に抜擢された。
 社内でその能力を高く評価され、順調に出世街道を歩むものと期待されていた矢先、彼は突然辞表を提出した。市内に駐在員事務所を構えるドイツ系企業に引き抜かれたのだった。彼は勤続10年の社員2人を連れて転職した。同僚は別れを惜しんだが、彼は一言、「ここはなんと言っても給料が安いからね」と極めてドライに言い放った。
 ある総公社の社長は、「国営企業離れの最大の原因は給料の低さにあります」と語る。それならばなぜ国営企業各社は、現状の打開策として給与を引き上げないのだろうか。同社長は、「国営企業では長年に渡り、役職や年功序列の給与体系でしたから、優秀な社員に対して特別に高額な給与を支払える雰囲気がないのです。特にその社員が管理職ではない場合や、後輩社員が先輩社員よりも昇給が早いといったケースは到底受け入れられないのです」と語る。また国営企業は共同意識が強く、一部の社員や部署が業績を上げても社全体の業績として捉えられがちなため、特別な給与引き上げは難しい。
 ある国営の機器製造会社では1995〜1996年、売上が激減したため従業員の給与引き下げに踏みきったところ、あるベテランエンジニアが退職を申し出た。彼を失うことは社運に関ると判断した社長は、破格の給与を条件に彼を引き留めることに成功した。だが、社長は役員から厳しい非難の言葉を浴びる羽目となった。
 確かに国営企業の給料は低いが、仕事量や効率を考慮すれば一概に低いとは言えない。国営企業から外資企業に転職した人の大半が、給料は3〜4倍に上がったが、それに比例して仕事の量も同様に増えたと話す。
 給与以外にも、国営企業では派閥闘争に巻き込まれたり、年長者の意見が重視され若い社員は軽視されたりしがちなために、優秀な人材が本来の能力を発揮できず退社するケースも多く、人材流出に拍車をかけている。

(Thoi Bao Kinh Te Sai Gon)
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