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住宅建設で人生設計のサポート 
― Nha Vui社社長インタビュー ―

 Nha Vui社のNguyen Thu Phong社長は、7月末より「人生設計のサポート」をテーマに新たな一歩を踏み出した。彼は、新しいテーマを軸にさらに満足度の高いサービスを提供できると胸を張る。


Q: 4年前、御社は国内初の住宅設計コンサルティング会社としてスタートしました。会社としてテーマを掲げるのは設立以来初めてですが、現在までどのようなスタンスで仕事に取り組んでこられたのでしょうか?

A: これまでは、設計担当者がその都度コンセプトを決めて仕事に取り組み成功を収めてきましたが、コンサルタントから会社としてのテーマを持つことの重要性について教えられる機会がありました。テーマを決定する過程で弊社の活動の軌跡を振り返り、改めて誇りに思うことができました。弊社の歴史は私たちの財産であるだけでなく、弊社に関わってきた人々の人生の一部でもあるのです。向上心と情熱を持ち続けたからこそ、ここまで成長できたのだと自負しています。


Q: これまでに、専属の建築士が何人か御社を去ったこともあったそうですが、原因は会社としての体制がまだ確立していなかったからでしょうか?

A: その通りです。しかし、顧客が若い建築士に、「会社を通さずあなたに直接依頼する」などと持ちかけたことも一因です。建築士に直接依頼料が入ってくるわけですから、当然収入は高くなります。結果、こうした誘いに乗る建築士もいました。このようなプロ意識に欠ける行動を目の当たりにして経営者側として危機感を抱かざるを得ません。同様のケースが数回起こり、独立して事務所を構えた若い建築士もいました。


Q: 彼らは独立するだけの実力がついたと考え退社したようですが、これは最近の若者によく見られる傾向なのでしょうか?

A: そうです。しかし、彼らにはまだ独立できるだけの実力は備わっていません。若い建築士の多くは能力や経験が不十分で、人材育成や人事管理の経験も乏しいため、実際はうまくいかないことが多いのです。


Q: 社長ご自身は、経営者となってから建築士としての腕が落ちたと思われますか?

A: 経営と専門の両立は難しく、専門を犠牲にせざるを得ないこともたびたびあります。専門家が企業経営を行う場合、経営者としての知識が不足していることが多く、コンサルタントに経営のアドバイスを求めることも多々あります。また、経営者は対外戦略だけを考えるのではなく、その分野について熟知し全力を注ぎ込まなければ良い仕事は出来ないのです。建築と企業経営はまったく別のものとして捉えなければなりません。


Q: 御社はこれまでに約500戸の住宅設計を手がけ、コンサルティング件数は数千に上ります。このように多くの依頼があることについてどのようにお考えですか?

A: 多くの顧客に利用して頂いたことは非常に喜ばしいことで、益々のサービス向上に努めなければと実感しています。私たちが手がけた家を顧客が気に入ってくれて友人関係に発展することもあれば、その逆もあります。原則として顧客の意見は尊重しなければなりません。決定権は顧客にあるため依頼があれば全て引き受け、難しい仕事であっても拒否することは出来ません。大切なのはお互いに尊重し合い、時には譲り合いながら協力関係を築くことなのです。顧客の協力があってこそ初めて良い仕事が出来るのです。


Q: 成功に至るまでの失敗や苦労も多かったのではないでしょうか?

A: 最も辛いのは、建築士と顧客が非常に良い関係を築いていたのに、最終的に喧嘩別れに終わるというケースです。顧客は当初、若い建築士を高く評価するのですが、工期の遅延や工事の変更などが続くと、「なぜ予め知らせてくれなかったんだ」と詰め寄り、すべてを弊社の責任と非難するのです。話し合いの席で、ある若い建築士は顧客の豹変ぶりに唖然とし、失望したと話していました。顧客の希望通りの家が完成しても、顧客の笑顔が見られなければ100%成功したとは言えません。


Q: 2000年より以前は、国内に住宅専門の設計事務所が殆ど無かったことが、起業を決意された理由なのでしょうか?

A: 当時は、建築大学を卒業した建築士の多くが自宅で設計し、設計図片手に顧客の家まで出向きました。また、住宅建設を安心して任せられる業者は皆無に等しく十分なサービスが受けられませんでした。このような状況を目の当たりにして自分で建築事務所を設立しようと思い立ったのです。


Q: 現在、多くの同業者がしのぎを削っています。御社には何か強力なセールスポイントがあるのでしょうか?

A: 弊社では40人の専属建築士を10チームに分けています。彼らはひとつのやり方にとらわれない自由な発想で、常に最大限の力を発揮していることが強みと言えるでしょう。正にこれらがベトナムの住宅建設業界に欠けていた点だったのです。


Q: 30代にして事業で成功を収め、さらに建築大学で教鞭を取り、修士号まで取得した社長は将来、建設業界の重鎮となるのではないでしょうか?

A: とんでもありません。友人からは経営の才能があるなどと誉められますが、経営を投げ出してずっと机に向かって設計に没頭したいと思うこともあります。同時に企業経営も極めたいと思います。このように欲張りな性格が災いし、気が休まる時がありません。自分が本当は経営者なのか建築士なのかも分からないのに、業界の重鎮などになれるなどと思っていません。

(Sai Gon Tiep Thi)
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