時として人々は噂に翻弄されてしまう。注意を喚起する意味も込めて、いくつかの例を紹介する。
■鯨の「聖水」(Ben Tre省)
Ben Tre省Thanh Phu県Thanh Hai集落のCon Bung海岸で鯨の死体が見つかった。この話は瞬く間に各地の人々に知れ渡り、果物や菓子、ロウソク、線香を持参し鯨を拝みに訪れる人々で溢れかえった。鯨の死体が腐敗し異臭を放つようになると、人々はその肉と脂肪から流れ出るあぶらを先を争って壷や瓶にすくい取って持ち帰った。古くから、鯨は聖なる生き物として崇められており、鯨の「聖水」は万病に効くと信じられている。しかし、腐敗した動物の死体から出た激しい異臭を放つあぶらが身体に良いはずがない。
■チェーンレター(ホーチミン市)
Binh Thanh区では最近、ある手紙を無差別に送りつけるという悪質ないたずらが流行っている。そこには受取人宛てに様々な占いの結果が延々と書かれており、「聖なる場所」に行き祈りを捧げるよう指示している。そして「この手紙を読み終えたら家族全員にも見せ、コピーして大勢の人に郵送しなさい。指示通りにすれば幸運が訪れ、従わなければ貴方の身に不幸や災難が降りかかってくるであろう」と締めくくられている。このようなチェーンレターは嫌がらせの常套手段だが、受け取った人の多くは恐怖心から新たに大量の手紙を郵送してしまう。
■田舎の迷信(Bac Giang省)
農村では、迷信に端を発した噂が人々の不安を掻き立てている。ある村には4つ目の猫がいる、また別の場所には血を流す木がある、などといった類の話である。天災や疫病などが発生すると、この種の噂はまことしやかに語られ多くの村に広がる。噂の真偽を確かめたいあまり、借金までして探しにいく人まで現れる始末だ。結局、全ては徒労に終わるのだが、最初にこの噂を広めた者を突き止めることは困難である。
また従来、各家庭にある祭壇といえば建国の神様、偉大な指導者たち、かまどの神様、ご先祖様を祀ったものだった。しかし現在は、多くの家でいくつもの祭壇を設け、すべてに線香を焚き供え物をする。これは「嫁に行き遅れても、祭壇を祀れば運気が上がって良縁に恵まれる」などといった迷信に惑わされてしまうためだ。農村の各官庁や組合は、住民が根拠の無いでたらめな情報を真に受けないよう注意を喚起する必要がある。最も重要なことは、一人ひとりが噂に惑わされないよう平常心を持ち続けることだ。
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