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「社内失業症候群」の若者たち

 勤務時間中にも関らず、社員たちは連れ立ってお茶をしながら雑談し、居眠りをし、新聞を読み、受話器を片手に延々と世間話に花を咲かせている…
 一部の企業では、このように仕事とは一切無関係な行為に勤務時間の大半を費している社員でも、エリートと見なされ月々の給料のほかにボーナスまで支給されている。
 Loanさんは、経済短期大学ビジネス科をまずまずの成績で卒業し、家族にお膳立てされある国営企業にフリーパスで入社し、貿易部門に配属された。しかし、貿易部門担当とは名ばかりで、彼女が担当する仕事の内容とは、書類の保存、コピー、上司へのサイン依頼、関連部門への伝票および書類の転送など、至って単純な作業ばかりであった。
 自分の能力を最大限に発揮できる職場環境ではないと感じ、勤務時間中でありながら仕事がないということが原因で若手社員が“社内失業”となることは決して珍しいことではない。給料日には給与をもらえるが、仕事は単調で本人にとってはやり甲斐がなく、能力を発揮する機会があまりにも無さすぎるため嫌気がさしてしまう。しかし、このような職場環境は、平穏や安定という面では好都合でもある。Loanさんは入社から4年経った今もこの安定性には満足しており、「よそへ行ってもここより給料がいいとは限らないし、下手をすれば失業の可能性もあります。国営企業にいるのがいちばん安全です」と話す。
 専門知識が必要とされる仕事に就いている人もいるが、社員の数が多いため、ただでさえ少ない仕事をさらに細分し、形だけ与えられているという状況だ。Cuongさんは音楽学院を卒業し、ある放送局で音楽番組の制作を担当している。しかし、番組は週に1〜2本のみと仕事量は極端に少なく単純だ。1週間のうち職場に必ずいなければならないのは2日だけで、残りの日は新聞を読んだりコーヒーを飲みに行ったり世間話をしたりして過ごしている。Cuongさんは、「毎朝上司に顔を見せた後は、呼ばれてもすぐ戻れるよう、職場の近くをうろうろしていますよ」と話す。夜は、副業としてカフェバーで仲間とピアノを演奏しているという。
 “社内失業症候群”は国営企業に限らず、民間企業でも見られる。23歳のChauさんは美術大学を卒業後、ある有名なファッションメーカーに就職した。社内では、仕入れ、デザイン、裁断、縫製、陳列、管理と仕事が細かく分けられ、それぞれ担当が決まっている。店頭ディスプレイを任されたChauさんは毎日、制服であるアオザイに身を包み、朝8時に出勤し、商品を整え、開店の準備をする。客が店を出たら、素早く店内をチェックし、商品が所定の位置に置かれているか確認する。毎月の給与は300万ドン(約200ドル)で、暇で単純な仕事の割にずいぶん高い給与をもらっていると自覚している。彼女は、「遅かれ早かれ新しい仕事を見つけるつもりです。でも今は、もう少しここで我慢して、新しいことを始める資金を蓄えます」と話す。
 退屈だと思っている仕事を手放さない理由は人それぞれだろう。そして、彼らは安定と引き換えに、“社内失業状態”に身を置くことに甘んじてしまっているのだ。
 国が目覚しい発展を遂げると共に、最近の若者は以前に比べ活動的で、自己の能力を自信を持ってアピールし、自分自身の殻を破る独創性があるとも評価されている。これらは彼ら個人の成長にとって必要であると同時に、社会全体の発展にとっても必要不可欠だが、腰掛のつもりで、やり甲斐のない職場環境に身を置いている若者も多いようだ。しかし、彼らの多くは、持て余している時間に危機感を感じており、今日と違う明日を手に入れようと模索している。

(Sai Gon Tiep Thi)
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