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「理想の就職」 ベトナムの若者の就職観を探る

企業は人手不足に悩まされ、若者は就職難にあえいでいる。この矛盾は何に起因するのか。今年10月、Nguoi Lao Dong紙上の個人広告欄に応募した500人を対象として、若者の就職状況と就職に対する意識調査を実施した。

■就職難の理由
調査対象者の内訳は、大卒者・51%、高卒者・21%、中卒者・23%。そのうち新卒者は42%で、一年以上の就業経験を有する者は58%だった。就職活動については、▽難しい・42%、▽非常に難しい・20%、▽どちらでもない・34%、▽比較的簡単だ・4%と回答した。
「どちらでもない」、「比較的簡単だ」と回答した者の多くが、就業経験者つまり就職活動の経験者だった。最近では就職活動の支援サービスが充実しており、インターネットや職業紹介所、新聞広告など多様なメディアを通じて求人が行われている。だが応募者の多くは、自分に合った仕事を見つけるのは容易ではなく、かなりの時間がかかると考えているようだ。就職活動期間は応募者の51%が1カ月間、23%が2〜6カ月間で、さらに活動を続けても就職先の見つからない求職者も少なくなかった。また、就職を困難にしている原因は雇用者側にあると90%が指摘する。雇用者が応募者の適性を無視して採用にあたっているというのだ。さらに、彼らの多くは仕事内容もしくは給与を理由に就職を断っている。

■社員と雇用者、両者の主張
定着率の悪さは、雇用者側は社員の姿勢に起因すると見る。離職する社員はたいてい仕事に対して怠慢な上、能力・経験に見合わない高額の給与を求めているという。だが仕事を辞めた人の大部分が、自分の能力・経験、会社への貢献度に見合った給与を得られないこと、企業が社員の待遇すなわち賞与・福利厚生に十分な関心を払っていないことの2点を離職の理由として挙げているのも事実だ。
どれだけの給与を支払えば社員の早期離職を防げるのか。雇用者の悩みはこの一点につきる。だがこれは、企業によって給与体系が異なる以上、共通した答えを見出すことは至難の業だろう。調査対象500人の意見を集約すれば、大学新卒者の初任給は、80〜100万ドン(約53〜67ドル)では低いと考えており、彼らのスキルに見合わず、労働意欲を喚起するには不十分ということになる。「大学新卒者の望ましい平均初任給は」という質問には、▽80〜100万ドン(約53〜67ドル)・9%、▽100〜150万ドン(67〜100ドル)・ 50%、▽150〜200万ドン(約100〜133ドル)・31%、▽200万ドン(133ドル)以上・5%となっている。
調査結果によると、高卒者は大卒者ほど高額の給与を望んではいない。学歴や技術の有無で求職者の希望も異なるが、労使間の隔たりを根本的に解決する決め手にはならない。

■求められる高給と企業の限界
前述の労使間の隔たりを端的に物語る、採用担当者の声を紹介する。

「給与こそが若者の就職・転職を決定するようですね。昇進チャンスの有無は関係なく、今の会社より給与が高ければ、他社に転職してしまいます。給与体系、人事異動、能力開発のための研修、海外研修といったさまざまなシステムを改善していますが、離職する者は必ずいます。私どものような国営企業が、管理職に支払う月500万ドン(約333ドル)の給与は決して安いものではありません。彼らは外資企業の“月500ドル”に惹かれて転職するのです」(An Lac靴会社の人事部長Dung Hien Anh氏)

「昨今の若者は、“隣の芝生は青い”という考えにとらわれているため、採用には苦労します。以前新卒で10名のエンジニアを採用しましたが、彼らの能力は弊社が希望する条件の40%程度でした。このため時間をかけて研修を行ったのですが、2カ月後には“会社が遠い”、“給与が安い”という理由で7名が辞めてしまいました。会社は送迎バスを用意し、研修期間でも150万〜200万ドン(約100〜133ドル)の月給を支払いました。能力に応じた昇進制度もあったのです」(Song Than工業団地Dong Nam社の人事部長Nguyen Huu Yen氏)

■やりがい優先派も
調査では「1年以上の就業経験を有する」が58%を占めたが、彼らは少なくとも1、2回の転職経験がある。転職理由は以下の通りである。▽「働く環境が合わない」・30%、▽「自分の専門に合う仕事がしたい」・15%、▽「昇進のチャンスがない」・21%、▽「給与が低い」12%、▽「上司との関係がうまくいかなかった」・9%となっている。
離職の理由は一様ではないが、雇用者側の見解はだいたい一致している。それによると、現在の若者は刹那的な実利主義に走り、昇進には無関心で経験を積むことにも消極的で、ただ目先の利益ばかりを追っているというのだ。しかし実際は、新卒者の33%が給与が低くても自分の専門に合う仕事がしたいと考えている。そして34%は給与に関らず良い職場環境と昇進のチャンスを望んでいる。その一方で、28%が給与が高く安定していれば職種は問わないと考えていることもまた事実である。

(Nguoi Lao Dong)
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