ホーチミン市12区にあるスポーツ用手袋のメーカーKomega社で10月末、労働者1,300人がストライキを決行した。同社社長の発言が、「就業時間中のトイレを禁止する」と誤解されたのが直接の原因だった。工員が就業時間中にトイレに行く際には整理券が必要で、券をもらうため並んで待っていた。これを時間の浪費と見とがめた社長は、ただちに各自持ち場へ戻るよう指導した。しかしこの発言が予期せぬ結果を招いてしまったのである。
また12区内の別の企業では、社員食堂の食事が原因でストライキが起こった。以前から同社の経営側は、「味付けは薄いし、野菜が少ない」という労働者からの不満を耳にしていたが、食堂では南部の食生活に不可欠な魚醤を置くことを禁じていた。労働者側は魚醤を置いてくれるよう何度も陳情したが、何の対応もなされなかった。このため「経営側は労働者の意見を尊重していない」と不満が募りストライキに至ったのである。
Song Than工業団地内の台湾系T社で数日間にわたって決行されたストライキの原因は頭髪だった。経営側が工員に髪を短く切るよう指導したのだが、これは短髪にすることで工場内の安全性をさらに向上させたいとの意図があってのことだった。だが台湾人社長にとって当り前の規則も、ベトナム人労働者にはまったく不可解だった。言葉の壁もあって経営側から十分な説明を受けられなかったことが誤解を招き、最終的には関連当局が両者の調停にあたることとなった。
労使の根本的な衝突は以前に比べ減少しつつあるが、小さな認識のズレに端を発した問題は頻発している。経営側が改善の努力を怠ると、今回のトイレ・魚醤・頭髪問題などのように、些細な事が原因でストライキが発生しかねない。
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