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改正所得税法の指導通知草案

 7月1日より、改正所得税法が発効した。税務総局および財政省は決議および指導通知の7月中の公布に向けて完成を急いでいる。指導通知草案の内容は以下の通り。

■ 課税対象となる所得
1)発明、商標などの特許権使用料による所得、2)事業所得税の対象外の個人所得(科学・技術サービス、情報科学サービス、コンサルティングサービス、教育、ショーの開催、広告などによる所得)、3)企業が社員に支給する宿泊料や光熱費など基本給以外の経費、4)ストックオプションで購入した株による収入、5)技術移転や宝くじによる臨時所得

■課税対象外となる所得
1)労働法で規定された退職手当および失業手当。但し、国際的な大手企業の同一グループ企業内での異動に伴い支給された退職金は課税対象となる。2)労働者が生産事業所を異動する際、国家の規定に基づき支払われる補助金(外国人がベトナムに赴任する際に支払われる異動に伴う補助金も含む)、3)給与から控除された社会保険、健康保険。外国人労働者が母国でベトナムの社会保健や健康保険に相当する厚生年金に加入している場合は、支払い証明書を提出しなければならい。

■課税対象額について
1)ベトナム人労働者の課税対象となる月収は500万ドル(約333ドル)以上となる。歌手やサーカス団員、ダンサー、スポーツ選手は、全所得の25%が控除対象となる。これらの職業に従事する人は所属機関による証明が必要となる。2)ベトナムに在住し定期所得がある外国人は、ベトナムおよび海外で発生する所得の合計が800万ドン(約533ドル)以上の場合に課税対象となる。

■所得申告および納税について
 長期労働契約に基づく個人所得について、高額所得者は雇用主を通じて申告および納税しなければならない。短期労働契約の個人所得およびその他の所得(仲介料、著作権使用料、修理料など)については、50万ドン(約33ドル)以上の収入があれば、雇用主は10%を徴収し、納税する。1カ月の間に雇用主が1人の労働者に対し複数回に分割して給与を支払う場合は、合計金額に基づき税額を決定しなければならない。歌手などについては、全所得の25%を控除した額の10%を納税額とする。

ホーチミン市税務局の職員によると、歌手や外国語教師、弁護士などの不定期所得者や外国人からは徴税が困難だという。
 規定によると、雇用主は労働者の給与から税額を控除してから給与を支給するという方法となっているが、関連当局がそれらの事業体を管理し、実際に労働者に対し支払われた額を把握し、違反行為が確認された場合は厳重に処分することが必要だ。新規定では、労働者の納税申告に誤りがあった場合、雇用主が労働者の不足分を納税することが定められているのみで、これらの脱税行為について厳重な措置は規定されていない。
 改正個人所得税法は、定期所得のある人が対象となっているのみで、不定期所得者に対しては旧規定から何ら改善されていない。例えば、歌手を管理するのは文化情報省だが、歌手への就業許可書の発給業務は現在は行っていないため、どのように所得を管理するのか疑問である。テレビやラジオの出演料に関しては関連当局による管理が可能だが、バーやレストラン、ホテルでの興行を管理するのは困難と見られる。
 さらに、外国人に対しては、以前は30日以内の滞在であれば免税で、現在は1日以上滞在する場合でも課税対象となる。しかし、多くの外国人からの税金を徴収するのは難しいのが現状だ。毎年、ビジネス目的で訪れ、定期所得のある外国人は年間2万人に上るが、納税しているのは7,000人に留まっている。財政省と税務総局は、外国人の出国手続きを行う際に、個人所得税の納税証明書を提出させるなどの対策が必要だ。そうすれば、外国人は証明書を得るために納税義務を果たし、管理が可能となる。現状のままでは改正個人所得税法の指導通知が公布されても徹底管理は難しいと思われる。

改正所得税法に基づく税率は以下の通り。
1)定期所得者に対する税率(2004年7月1日から適用)
 ・ベトナム人の場合
1. 500万ドン(約333ドル)以下: 非課税
2. 500万ドン以上〜1,500万ドン(約333〜1,000ドル)以下: 10%
3. 1,500万ドン以上〜2,500万ドン(約1,000〜1,667ドル)以下: 20%
4. 2,500万ドン以上〜4,000万ドン(約1,667〜2,667ドル)以下: 30%
5. 4,000万ドン以上: 40%
※歌手、サーカス団員、ダンサー、スポーツ選手は25%を控除し、残りの額の10%を納税する

・外国人および外国で働くベトナム人の場合
1. 800万ドン(約533ドル)以下: 非課税
2. 800万ドン以上〜2,000万ドン(約533〜1,333ドル)以下: 10%
3. 2,000万ドン以上〜5,000万ドン(約1,333〜3,333ドル)以下: 20%
4. 5,000万ドン以上〜8,000万ドン(約3,333〜5,333ドル)以下: 30%
5. 8,000万ドン以上: 40%
※定住していない外国人の所得については税率は25%となる。

■税の算出方法
 ベトナム人で2004年7月1日の定期所得が4,500万ドン(約3,000ドル)の人の場合は、以下のように算出される:
・ 第1段階: (所得のうち)500万ドン以下: 非課税
・ 第2段階: 500万ドン以上〜1,500万ドン以下の1,000万ドン分: 税率10%が適用: 1,000万ドン×10%=100万ドン
・ 第3段階: 1,500万ドン以上〜2,500万ドン以下: 税率20%が適用: 1,000万ドン×20%=200万ドン
・ 第4段階: 2,500万ドン以上〜4,000万ドン以下: 税率30%が適用: 1,500万ドン×30%=450万ドン
・ 第5段階: 4,000万ドン以上〜4,500万ドン以下: 税率40%が適用: 500万ドン×40%=200万ドン
よって、このベトナム人の2004年7月の個人所得税は100万ドン+200万ドン+450万ドン+200万ドン=950万ドンとなる。

 また、以下のような簡単な算出方法もある
・ 500万ドン以下: 非課税
・ 500万ドン以上〜1,500万ドン以下: 10%: 0+500万ドン以上の収入の10%
・ 1,500万ドン以上〜2,500万ドン以下: 20%: 100万ドン+1,500万ドン以上の収入の20%
・ 2,500万ドン以上〜4,000万ドン以下: 30%: 300万ドン+2,500万ドン以上の収入の30%
・ 4,000万ドン以上〜4,500万ドン以下: 40%: 750万ドン+4,000万ドン以上の収入の40%
つまり、月収が4,500万ドンの人の場合、以下のように算出する。
 750万ドン+(4,500万ドン−4,000万ドン)×40%=950万ドン

■不定期所得者に対する所得税については、所得が発生するごとの課税となり(2004年7月1日から適用)、以下のように算出する
・ 技術移転による所得が1回につき1,500万ドン以上の場合、税率は総所得の5%となる
・ 宝くじによる収入が1回の当選につき1,500万ドン以上の場合、税率は総所得の10%となる

 雇用主は労働者に対し、給与支給前に所得税申告書に記入させ、所得税額の算出を行う。

(Nguoi Lao Dong)
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