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ベトナム・中国国境、危険な鶏の密輸現場

 Lang Son省の国境地帯では、中国産鶏の密輸が盛んに行われている。鳥インフルエンザの再発防止に向け、関連当局は取締りを一層強化しているが、現状は一向に改善されていない。
 Doc Quyt検問所のDinh Dien副所長によると、7月8日23時頃、国道1B号線で、Song GiapからLang Sonへ向かう鶏1,200羽と卵900個を積んだトラックが巡回中の職員により摘発された。押収された鶏と卵はただちに焼却処分となった。4月末にも管轄区域で鶏2.5トンを積んだバイク10台が摘発され、バイク押収および罰金処分とされた。密輸業者は常に関連当局の取締り情報に注意しており、緊密に連絡を取り合いながら摘発を逃れるため、業者の捕捉が大変困難となっている。
 Lang Sonの密輸業者にとって主な仕入の拠点となっている中国のLung Vai市場は、ベトナムとの国境地帯にあり、傾斜の激しい4つの岩山に囲まれた谷の中にある。この市場の近くにあるDong Dang町は、密輸品の流通拠点として有名だ。Lung Vai市場へ行くにはCong Trang検問所を通る方法しかないが、密輸ルートはHang Doi、Bai Gianh、Thac Nem、Thac Nuoc、Khoi Da、Ma Meo、5号線、6号線など10以上も存在しているという。 
 Dong Dang町に着くと私たちは密輸業者を探したがなかなか見つからず、2日後にようやくAという密輸品の運び屋に出会った。彼に中国との国境付近まで連れて行ってほしいと頼むと、「途中で誰かに会っても顔を見たり挨拶したりするなよ」と言われた。私たちは余所者とばれないよう密輸業者に変装し、Hang Doiへ向かった。尖った岩が行く手を阻む曲がりくねった険しい道だった。Hang Doiに近づくと、鶏の死骸を焼却したと思われる悪臭が漂ってきた。
 Hang Doiまでは密輸業者専門の“検問所”が2箇所あり、その都度2,000ドンずつ払って通行券をもらい、Hang Doiに着いたら券を渡す。Hang Doiは山頂にあり、見張りの男が険しい目つきで監視していた。山のように積まれた籠の傍らで、密輸業者と思われる数人の男が落ち着かない様子で何度も電話をかけていた。Aは、「奴らはいつもここに鳥籠を持って集まるんだ。順調に行けば夜中までには中国から届いた鶏で一杯になると思うよ」と言った。中国側の検問所で2人民元を払い、Lung Vai市場へ行った。鶏の臭いと鳴き声を頼りに取引の現場を見つけた。Aによると中国産の鶏はどれも大きいが味が薄く、Lang Sonの住民はまず口にしないそうだ。
 Lung Vai市場からベトナムへの密輸ルートは悪路ばかりで、運び屋は体力がないと務まらないという。最新ルートがあるというのでAに案内してもらうと、そこでは靴下にサンダル履きの運び屋たちが、炊飯器やビデオデッキ、CDプレーヤーなどが入った袋を担ぎ、駆けて行く姿が見られた。
一休みしようと道端のカフェに入った。カフェの店主は、「鶏を探しているなら紹介するよ。昨晩は取締りが厳しくて、うまく密輸できたのはこの地区の業者だけだよ」と言った。取締りを逃れようと業者は毎回ルートを変え、車を乗り換えたり回り道をしたりしなければならないという。
密輸鶏が売られているというLang Son市内のBo Song市場とDong Dang市場へ行ってみた。どちらとも老いた鶏が多く、だらしなく涎をたらしてぐったりとして、眠そうに首を垂れる鶏の姿ばかりが目に入った。価格はベトナム産とほぼ同じで、1キロ3万5,000〜4万ドン(約2.3〜2.7ドル)だった。
Dong Dang市場で鶏を売るTさんによると、ここでは病死した鶏の肉が多く売られているという。生きた鶏は高いため、元手の少ない個人業者は国境を越えて中国側の市場へ行き、病死した鶏や死にかけの鶏を選び毛をむしった後、水につけて膨張させ冷蔵庫で保存した後、新鮮な肉として売るのだという。電化製品を販売するよりも鶏の方が儲かるので、鶏専門に鞍替えする業者が続出している。Dong Dang市場で鶏の密輸を専門に行う業者の男は、関連当局の摘発を免れるルートとして、「Lang SonからDong Moまではバイク(レンタル料は1台20万ドン<約13ドル>)で運ぶんだ。4台で1トン運べるよ。Dong Moからは車に乗り換えるんだ。もし捕まったら費用は全部客に負担してもらうよ。まあ、そんなことはめったにないけどね」と話した。
 Lang Son省獣医支局のDo Van Duoc支局長によると、中国産鶏の密輸が最も盛んなのは、Cao Loc県Xuat Le村、Bao Lam村、Dong Dang町や、Van Lang県Tan My、Tan Thanhや、Chi Ma検問所のあるLoc Binh県Tu Mich村などだという。各県や村の人民委員会は関連当局と協力し、これらの地域の取締りを強化しているが、密輸ルートは広範囲に及び、摘発を免れようとルートや時間を頻繁に変えるため摘発は困難を極めている。さらに、Lang Sonでは、Mai Pha村のように新たな密輸の拠点も出現したという。
 Duoc支局長はさらに、「以前の鳥インフルエンザ発生時のように検疫所を設けることは予算不足で困難な状況です。検疫所には最低でも関連当局の職員12人が必要です。職員1人あたりの日当は5万ドン(約3.3ドル)と規定されていますから、1日あたり60万ドン(約40ドル)の出費になります」と話した。

(Tuoi Tre)
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